都市計画法とは
目的
都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
計画の流れ
①都市計画区域の指定(国土交通大臣に協議・同意)
*原則都道府県が指定するが、2以上の都道府県にわたるときは国土交通大臣が指定。
②都市計画の決定(重大な利害関係がある場合のみ国土交通大臣に協議・同意)
③都市計画制限
④都市計画事業
・都市計画原案の公告により、2週間の縦覧期間があり、その間、住民や利害関係人は意見書を提出できる。
・関係都道府県が意見を述べようとするときは、関係市町村および都道府県都市計画審議会の意見を聴く。
都市計画区域・準都市計画区域
・都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、土地利用を整序し又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置しておけば、将来における一体の都市としての整備・開発・保全に支障が生ずるおそれのある一定の区域を準都市計画区域として指定することができる。(都市計画法5条の2)
都市計画区域外の一例 高速道路のインターチェンジ周辺、幹線道路沿い
・準都市計画区域の都市計画に定めることができる地域地区(都市計画法8条2項、3項2号ト)
①用途地域
②特別用途地区
③特定用途制限地域
④高度地区(最高限度のみ)
⑤景観地区
⑥風致地区
⑦緑地保全地域
⑧伝統的建造物群保存地区
地域地区
・高層住居誘導地区とは、住居と住居以外の用途とを適正に配分して(低層階は店舗、中高層階は住居というような……)、利便性の高い高層住宅の建設を誘導するため、第一種・二種・準住居地域、近隣商業地域または準工業地域でこれらの地域に関する都市計画において、建築物の容積率が400%または500%と定められたものの内において、建築物の容積率の最高限度、建築物の建蔽率の最高限度および建築物の敷地面積の最低限度を定める。(都市計画法9条17項)
※高層住居誘導地区内の住宅部分の床面積の合計が全体の床面積の3分の2以上である建築物は、容積率の制限が、1.5倍を限度として住宅割合に応じて緩和される。
・高度利用地区とは、用途地域内において、市街地の環境を維持し、または土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または最低限度を定める地区のこと。市町村が決定する。
・高度利用地区とは、用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、建築物の容積率の最高限度及び最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を定める地区のこと。市町村が決定する。(都市計画法9条19項)
・特別用途地区とは、用途地域内の一定地区における当該地区の特性にふさわしい土地利用の増進・環境の保護等の特別の目的実現を図るため、その用途地域の指定を補完して定める地区。市町村で決定。国土交通大臣の承認により、建築物の用途に関する制限を強化することも緩和することもできる。
・特定街区とは、市街地の整備改善を図るため街区の整備または造成が行われる地区について、その街区内における建築物の容積率や、建築物の高さの最高限度・壁面の位地の制限を定める。(都市計画法9条20項)
・特定用途制限地区とは、都市計画区域又は準都市計画区域において、用途地域の定めのない区域(市外化調整区域を除く)で、風俗等特定の用途の建物を制限する地域。市町村で決定。(都市計画法9条14項)
・特例容積率適用地区とは、第一種・二種低層住宅・田園住居・工業専用以外の用途地域内において、容積率のトレードができる地区。建築物の高さの最高限度を定める。(都市計画法9条16項)
・風致地区とは、都市の風致(自然美)を保護する地区。都市計画区域または準都市計画区域に定められる。地方公共団体の条例で、必要な規制をすることができる。10ha未満は市町村、10ha以上は都道府県が決定する。
開発事業
・市街地開発事業は、ある区域を一体的に開発・整備する事業のことで、
①新住宅市街地開発事業
②工業団地造成事業
③新都市基盤整備事業
④市街地再開発事業
⑤住宅街区整備事業
⑥土地区画整理事業
⑦防災街区整備事業
の7種類があり、市街化区域又は非線引区域に定めることができる。
・開発整備促進区は、第二種住居地域、準住居地域、工業地域が定められている土地の区域又は用途地域が定められていない土地の区域(市街化調整区域を除く)に定めることができる。(都市計画法12条の5第4項4号)※特定大規模建築物を建築できる。
・促進区域とは、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域内において、主として関係権利者による市街地の計画的な整備または開発を促進する必要があると認められる土地の区域について定める。(都市計画法13条1項8号)
地区計画
小規模エリアを対象とした都市計画で、市町村が定める。但し、都道府県が定めた都市計画と抵触するときは、その限りで都道府県が定めた都市計画を優先する。
[地区計画を定められる区域]・市街化区域・市街化調整区域・非線引き都市計画区域
用途地域が定められていない土地の区域で地区計画が定められる区域
①事業施行地区
②スプロール防止地区
③環境保全地区
[地区計画において義務として定める内容]・地区計画の種類・名称・位置・区域・地区施設・地区整備計画
・地区計画区域内で、土地の区画形質の変更、建築物の建築等を行う者は、当該行為に着手する日の30日前までに、一定事項を市町村に届け出なければならない。